海外インターネットビジネス動向
News Volume 57 99年10月6日
商品選択をたすける
サイトを訪れるインターネットユーザーの商品に対する予備知識は、千差万別です。さまざまなタイプの顧客をつかむためには、通りいっぺんの商品説明だけでは不十分といえるでしょう。サイトを訪れる以前に、商品を十分に理解していなかった訪問者でも、自分のニーズに合った商品を確実に選択し、安心して購入することができる仕組みが必要となるのです。
今回のニュースレターでは、映画ビデオ販売のReel.comを事例に、どのような方法を採用すれば、ユーザーが商品を選択するときの手助けとなるかを解説しましょう。
(1)今回紹介する商品選択をたすける方法
1. お薦め検索
2. 数値化された内容分析
3. タイムリーな評価コラム
4. 新聞の映画評の紹介
(2)今回取り上げる事例
Reel.com:
http://www.reel.com/
(最安値、品質、品揃え、セキュリティー&プライバシー、サービスの5つの保証を掲げる映画ビデオ販売サイト)
1. お薦め検索
このサイトでは、映画のタイトルや監督名などをキーワードに使った通常の検索機能の他に、独自のユニークな検索機能を用意しています。「Movie Matches」と呼ばれ、ユーザーが過去に観て気に入っている映画のタイトルを入力すると、ジャンル・対象層・全体の雰囲気などから、これに近いと思われる作品を一覧にしてくれます。
映画に詳しくないユーザーでも、自分の好きな映画のタイトルを一つぐらいは覚えていることでしょう。そのタイトルを糸口に、似たような映画を探すことができるこの検索機能は、ある程度のあいまいさをもとに情報収集ができる点で優れています。誰もが、いつもはっきりとした好みを伝えることができる訳ではありません。あいまいさから関連をもたせる機能というのも、多くのユーザーにとってはうれしいものです。
2. 数値化された内容分析
各作品のページには、「Movie Anatomy(映画解剖)」と呼ばれるコーナーがあり、セックス・バイオレンス・ユーモア等の14項目にわたって、内容が10段階評価で数値化されています。この評価方法は、映画評論家のコメントとは一味違う視点で、映画ビデオを選ぶ指針になるはずです。14項目もの分類があると、たとえば、「子供と一緒に観るから、アクションや特殊効果の数値は高い方がいいけれど、バイオレンスは低い数値でないと困るな。それに加えて、ユーモアのレベルが高ければ申し分ないな」など、自分なりの価値基準を組み合わせて作品を選ぶことができるのです。
たとえ、普段は直感を頼りになんとなくビデオを選んでいるユーザーでも、誰かに贈るプレゼントを選ぶ場合には、慎重に商品を検討したくなるでしょう。Reel.comは、分析のカテゴリーを数多く提供することで、さまざまな動機を持ったユーザーの選択を容易にしています。きめ細かい分類と一目で比較できる評価値によって、希望にあった商品を失敗なく選ぶことができるのです。
3. タイムリーな評価コラム
サイトには、「新着ビデオ評」や「今週の評価」というタイミングを考慮したコーナーも用意されています。一般のビデオ販売店を訪れた時に、まずは新着ビデオコーナーに行くという人は多いと思います。新発売だから買いたくなる。評価の対象になっている話題の作品だからなおさら買いたくなる。このように、ユーザーの購買意欲を刺激するコーナーを前面に押しだすことは、オフラインでもオンラインでも重要です。
4. 新聞の映画評の紹介
「自分ひとりでは、どんな作品がいいのか決めかねるから、専門家の意見を参考にしたい」というユーザーは意外に多いものです。
アメリカでは多くの人が、観に行く映画を決める前に、新聞の映画評を参考にしています。 Reel.comのサイトには、こうした習慣に配慮したコーナーも用意されています。信頼の高い映画評を掲載している「New York Times」「Los Angeles Times」「USA Today」などの批評を各映画ビデオ毎に掲載し、作品に関心を持ったインターネットユーザーが簡単に読み比べられるサイト構成となっているのです。
先に紹介した「今週の評価」等は、映画に詳しいReel.comのスタッフが書いているオリジナルですが、これに、有力紙の映画評を加えることで、さらに多くのユーザーが安心できる選択基準を提供しているのです。このコーナーで高い評価を受けている作品は、ビデオの購入率も上がることでしょう。
今回ご紹介したように、ユーザーが商品を選ぶためのサポートには、さまざまな方法が考えられます。誰もが、サイトに掲載されているすべての商品に詳しい訳ではありません。ユーザーが良く分からない商品でも、専門家やサイト運営者のコメントを的確に示し、数値を活用するなどの工夫により、各ユーザーが客観的に判断することができる情報を提供する意義は大きいのです。
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