海外インターネットビジネス動向
News Volume 61 2000年2月23日
ヘルプデスクの活用
インターネットビジネスの成功事例に挙げられる多くの企業サイトは、徐々に複雑・多機能になっています。そのため、サイトを訪れるインターネットユーザーが自分の目的に合った方法でそのサイトを最大限に活用できるよう、手助けすることが必要とされているのです。
たとえば、今回ご紹介する健康食品販売サイト「MotherNature.com」では、ヘルプデスク(Help Desk)という形で、ユーザーの活用度を高める工夫を施しています。今回のニュースレターでは、このヘルプデスクがどのような役割を果たしているかを解説してみましょう。
今回取り上げる事例
MotherNature.com:
http://www.mothernature.com/
(オンラインで健康食品販売を手掛けるサイト)
1. ナビゲーションの手助け
マザーネイチャーのサイトは、大別すると「ショップ」「ライブラリー」「コミュニティー」「個別会員用ページ」に分類されます。これらのコーナーは、もちろんトップページのインデックスで一覧になっていますが、それだけでは、最初にどのコーナーを訪れればよいのか、また、各々のコーナーをどのように利用すればよいのか、迷ってしまうユーザーも多いのではないでしょうか。
そのような場面で助けとなるのがヘルプデスクなのです。ここでは、1ページの中に必要十分な情報がコンパクトにわかりやすくまとめられ、一種のサイトマップにもなっています。各コーナーの分類には、多くのユーザーが疑問に思う項目やそのコーナーの特徴的な機能が個条書きで記されており、それぞれが、利用のしかたについての詳しい解説にリンクされています。
2. 顧客の不安解消
もちろん、ヘルプデスクの機能は、ナビゲーションのサポートだけではありません。多くのインターネットユーザーがオンラインショップで買物をするときに問題視するセキュリティーやプライバシーなどに関し、不安を解消するという働きもきわめて重要です。
ヘルプデスクへのリンクをクリックするユーザーの多くは、トップページを訪れたときに感じた何らかの不安を解決するための糸口を期待しています。この期待を裏切ることなく、不安解消につながる情報を、しっかりとわかりやすくレイアウトする必要があるのです。
マザーネイチャーのサイトは、セキュリティーとプライバシーに関するコーナーを、ヘルプデスクの中でしっかりと際立たせています。そして、安全なオーダーシステムや利用者のクレジットカードが不正利用されてしまった場合の対応策などの説明項目を設けるだけでなく、ユーザーが使用しているブラウザの種類を自動的に認識し、セキュリティー機能が十分働かない恐れがあるブラウザの利用者には警告メッセージを表示しています。このことからも、同社がユーザー本位のセキュリティーに配慮している姿勢を伺い知ることができるのです。
3. 顧客の疑問解決
ヘルプデスクを訪れる理由は他にもあります。それは、疑問の解決です。複雑で多機能なサイトになればなるほど、サイトの利用方法や商品・サービスに関するユーザーの疑問も多くなります。
マザーネイチャーも商品点数が多いため、初めて訪れたユーザーの中には、自分の気に入る商品をどうやって見つければよいのかがわからないという人も少なくないはずです。こうした疑問に答えるのが、ヘルプデスク内の「簡単な4種類のショッピング方法(4 Easy Ways to Shop!)」という項です。
ここでは、デパートのように商品のカテゴリーから探す方法にはじまり、特定の性別・年齢層に適した商品を探す方法、ヘルス関係の情報を集めた記事を参照しながら自分の病気に合った商品を探す方法、そして自分の好きなブランドの商品を探す方法まで、あわせて4種類の選び方を分かりやすく解説しています。
今回解説したヘルプデスクのように、タイトルを目にしただけでどのような情報が含まれているかを容易に推測できるコーナーを用意し、さまざまな視点からユーザーの期待を裏切らない情報提供を行なうことで、訪問したユーザーに与えるサイトの印象が大きく異なってきます。ユーザーの期待を裏切らないサイト構築を常に心掛け、信頼を勝ち取ったウェブサイトが勝ち組になるのです。
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