海外インターネットビジネス動向


News Volume 73 2000年9月6日

顧客サービスの改善にむけて

オンラインショッピングを考えているインターネットユーザーの90%は、そのサイトで商品購入を検討するかどうかを決める重要な要素として、顧客サービスの充実を挙げています。この調査結果を発表した米フォレスター・リサーチ社ではさらに、インターネットユーザーの37%は、既存のカスタマーサービス以上にウェブサイトのカスタマーサービスを利用しているという実態を明らかにしています。その主な理由は、使いやすさと知りたい情報を得るまでの時間の短さにあります。

このように、企業サイトのカスタマーサービスに対するユーザーの関心が高く、著名なサイトのカスタマーサービスにおいて好印象の体験を重ねているユーザーが増えている現在、自社のカスタマーサービスのコーナーについて再考する時期が訪れているのではないでしょうか。

今回のニュースレターでは、税金申告ソフトウェアのメーカーであるイントゥイット社のサイト内にあるカスタマーサービス・コーナーの取り組みを解説しながら、改善案のヒントを示したいと思います。


今回取り上げる事例

Intuit:
http://www.intuit.com/service/

1.   サービス内容の細分化

ソフトウェアを購入したユーザーは、インストールの方法から基本機能の使い方、そしてオンラインバンキングまで、購入したソフトウェアをしっかりと使いこなすまでに、さまざまな段階でカスタマーサービス部門に質問をしたくなるものです。さらに、商品のバージョンアップがあれば、どのような新機能が追加されたのかを知りたくもなります。このように、商品の購入過程から利用方法そしてフォローアップ情報まで、細かく分類した各段階にもっともマッチした情報提供の仕方があるはずです

最近では、インターネット関連の技術進歩が目覚しく、さまざまなソフトウェアを活用した見栄えのするプレゼンテーションが可能となっています。たとえば、同サイトではユーザーガイドには、インターネットからダウンロードできるpdfファイルを活用し、図表を多く取り入れた資料の提供を行っています。また、新製品の新たな機能説明については、マクロメディア社のFlashを利用したファイルを用い、ビジュアルなプレゼンテーションをオンライン上で行っています。

このように、さまざまなソフトウェアの特徴と、カスタマーサービス部門が関わるビジネスの各段階の情報提供を上手くマッチングさせることで、質の高いサービスが実現できるのです。

2.  ヒューマンタッチ

インターネットの発達とともに、ウェブサイトを利用した効率的な情報提供が可能となり、さまざまなコンピュータ技術を駆使した自動化の動きが盛んになっています。しかし、この種の発達が目覚しいほど、人間味があるサービス提供への欲求の高まりも起こっているのです。そのため、カスタマーサービス部門に対しても、スタッフと直接会話をすることができるサポートへのユーザーの関心が新たに高まっています。

同社では、ファックスによって情報を引き出すことができるファックス・オン・デマンド、電話のテープ録音で各種の情報を入手できる自動電話サポート機能などを無料提供する一方で、不具合等を除く質問にスタッフが直接電話で回答する有料サービスを提供しています。

ユーザー自身が直接情報を引き出すことができる各種の無料機能を設け、それ以上の人間が直接関わるサービスに対しては対価を要求する。このように、各種のサービス機能を組み合わせることで、人件費の削減をも視野に入れた総合的なサービスの向上を図ることが可能となるのです。

すでに米国では、改めて電話をしなくとも、インターネット上で担当者と直接会話をすることができるサービスが登場しています。このサービスを利用すると、オンラインショップを訪れているユーザーが、興味がある商品ページを見ながら担当者に直接質問をすることができるのです。将来のこのような動きも視野に入れたサービス態勢作りが徐々に必要となっています。

3.  コンテンツの評価機能

カスタマーサービス部門では、商品の使い方などを解説する多くのページを作成しています。それらの各ページにおける解説文の内容が、ユーザーに十分理解されているのかを知ることは、カスタマーサービスの質の向上に大切なことです。

同サイトでは、ユーザーから寄せられる質問に対する回答内容が役立つものであったかを、YesもしくはNoで選択してもらう機能を各ページに設けています。また、この機能とは別に、サポート情報の総合評価を調査する独立したコーナーもあります。短い質問バージョンと長い質問バージョンを用意し、できるだけ多くのユーザーから回答を得ることができるように工夫をしています。このコーナーでは、「今回はどのような目的で当サイトを訪れたのか」「今回訪れて問題が解決できたか」「知り合いに当サポートのサイトを推薦するか」などの質問が用意され、ユーザーの回答に基づいて常に改善を行おうという企業姿勢をうかがい知ることができます。


どのような点を改善するとユーザーの信頼を得ることができ、リピーターになってもらうことができるかを常に検討するという習慣が、企業サイト運営者にとっては不可欠です。ユーザーの関心事の移り変わりや新たな技術の登場など、変化が激しいインターネットの世界では、常に改善が要求されているのです。




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