海外インターネットビジネス動向
News Volume 96 2003年6月25日
注目されるペイ・パー・クリック(Pay Per Click)型検索エンジン
−検索エンジン・マーケティング(SEM)の注目点
検索エンジン最適化(SEO)という言葉を見る機会が増えていますが、米国では検索エンジンに関連したマーケティング活動(SEM:サーチエンジン・マーケティング)が活発になっています。
SEO対策は、検索結果の上位に自社サイトが登場するように、さまざまなテクニックを使う検索エンジン最適化ですが、SEOは、あくまでもSEMの一部分でしかありません。さらに言うなら、SEMもインターネット・マーケティングの一部分にすぎず、インターネット・マーケティングも、全社的なマーケティング戦略の一部でしかないのです。
このように、それぞれの概念をより高次の視点から位置づけ、おのおのの関係を十分に把握しておくと、視野が広がり、SEOにおいても、SEMにおいても、インターネット・マーケティングにおいても、活動の効果を高めやすくなると考えています。
SEO対策はSEMの一部と書きましたが、国内外で最近注目されているペイ・パー・クリック(PPC:Pay Per Click)型広告に対応した検索エンジンを効率的に使いこなすことも、サーチエンジン・マーケティング(SEM)の重要な戦略の一つです。
国内で、検索エンジンに関係したPPC型の主な広告というと、オーバーチュア(Overture)の広告と、グーグル(Google)のアドワーズ広告が挙げられます。OvertureとGoogleは、それぞれ国内の主要な検索エンジン等と提携しているため、これらのペイ・パー・クリック型広告を利用すると、リーチできるユーザー層が一気に広がる可能性があります。
すでに、これらのPPC広告を利用しているネットビジネス関係者も多いと思いますが、使ってみた実感はいかがでしょうか。
オークション形式であるため、ビッドする料金によって、自社PPC広告の掲載順位が変更されます。また、Googleのアドワーズ広告では、クリック率(CTR:Click Through Rate/Ratio)が0.5%を下回るとPPC広告が掲載されなくなることもあるため、掲載位置とクリック率に常に気を配らなければなりません。
このようなPPC広告に関して、興味深い米国の調査結果があります。
■ Search123.comのPPC広告に関する調査結果
http://www.search123.com/about/Releases/pr11182002.html
すでにPPC広告を利用している広告担当者に調査した結果ですが、85%が「PPC広告においてはトラフィックの質の高さが重要」と回答しています。2001年に行なわれた前回調査では、ビッドの金額が一番の関心事であると回答していた広告担当者が多かったのですが、その状況が変化しています。
今回の調査では、ビッドの金額に関心が高いと回答したのは67%、PPC広告から誘導されるトラフィックの量に関心が高いと回答したのは51%という順になっています。
このことは、米国の多くの広告担当者の関心が、単なるクリック数(PPC広告をクリックしてサイトを訪れる人数)ではなく、PPC広告からジャンプしたサイトで、ユーザーがどれだけ実際のアクション(購買等)を起こしているかという点に集まってきていることを示しています。
今回の調査から得られた、その他のデータについてもご紹介しておきましょう。
− PPC広告を補う形でSEO対策を実施している企業は53%
− PPC広告主は、他のネット広告をあまり利用していない。
オプトインメールの利用率: 31%
アフィリエート・プログラムの利用率: 24%
CPMのバナー広告の利用率: 14%
(Cost Per Mil:1000回表示金額)
− PPC広告が、自社のネット広告の主体であるという企業は66%
− コンバージョンレートをトラッキングしている企業は72%
この調査結果から分かるように、PPC広告を利用している多くの米国の担当者は、最終的な売上増など、ビジネス上の成果に直接結びつくインターネットユーザーの誘導を重視しています。国内において、費用対効果(ROI:Return on Investment)をきちんと数値として残し、PPC広告を利用した場合の収益のシミュレーションを十分に行なっている企業は、まだまだ少ないのではないでしょうか。
メールマガジンやウェブサイトに広告を出稿するのとは異なり、PPC広告にはさまざまな複雑な要因が絡み合うだけに、周到なプランニングが必要となります。
計画を十分に練らないまま、検索頻度の高いキーワードでPPC広告の一番目に表示されるビッド料金を短絡的に設定してしまうと、短期間に多額の広告料を支払ったとしても、オンラインショップの売上などにあまり結びつかない恐れがあります。何がいけなかったのかも十分に理解できず、何のノウハウも得ることなく広告期間が終わってしまうことさえあるのです。
広告の出稿のしやすさやオークション形式の新たな広告媒体という目新しさだけでPPC広告を利用するのは、意外にリスクがあることを認識しておく必要があります。
【参考】
6月18日に、英語圏向けのGoogleの新サービス「アドセンス(AdSense)」についてのプレスリリースがありました。今まで大手の検索エンジン等に提供していたアドワーズ広告を、その他の情報系サイトなどにも提供するサービスです。以下のページに概要があります。
■ アドセンス(AdSense)の概要
https://www.google.com/adsense/overview
この新サービスで、アドワーズ広告の上位に掲載されるサイトは、表示回数・ビッド料金・費用対効果などに、さらに敏感にならなければ、短期間に無駄な予算を使ってしまう可能性が高まりそうです。
国内においても、まもなくこのAdSenseが登場するでしょう。情報系サイト等にとっては、アフィリエート・プログラムをはじめとする各種の成果報酬型の広告掲載で、収益源の選択肢が増えることになりそうです。
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