海外インターネットビジネス動向
News Volume 111 2007年4月27日
米国企業のアフィリエート・プログラムの利用実態2007
自社のウェブサイトをプロモーションする方法はさまざまですが、その中でも多くの企業が利用しているアフィリエート・プログラムについての利用実態がアメリカで発表されました。
多くの米国企業は、アフィリエート・プログラムを導入した場合、自社でパートナーの獲得活動をしなければなりません。この点で、多くのパートナーサイトを紹介できるバリューコマースやA8ネットなどとは異なりますが、アフィリエート・プログラムの利用実態に関する貴重なデータであるため、今回のコラムでご紹介しましょう。
今回のコラムでは、Internet Retailer誌の以下の記事で紹介されているレポート「AffStat Affiliate Market-ing Benchmark」を参考に、今後のアフィリエート・プログラムの利用方法について考えてみたいと思います。
■ Affiliate networks shrink
−AffStat Affiliate Market-ing Benchmark reportのハイライト
・パートナー数
米国企業のアフィリエート・プログラムに登録しているパートナー数は、意外に少ない数値でした。パートナー数が「500未満」であると回答した企業の割合が最も高く37%。「501から2,000」が25%、「2,001から5,000」が18%、「5,001から10,000」が10%、「10,000超」が9%と続きます。同調査の2006年のデータと比較すると、どの分類においても2007年は減少しました。
パートナーとなるサイト数が、ブログの普及で増えていますが、アフィリエート・プログラムを利用する企業数が増えたことで、1社が抱えるパートナー数が減少しているのです。
・コンバージョン率
アフィリエート・プログラムのパートナーサイト経由のコンバージョン率(購買率)は、どのくらいでしょうか。
コンバージョン率が「0.5%から1%」であるという企業の割合が最も高く17%。「1.6%から2%」と「5%超」がともに15%、「2.1%から3%」が12%と続きます。「0.5%未満」の8%と「1.1%から1.5%」の8%を加えた、2%以下の合計が48%であるのに対し、5%超という企業が15%あり、企業の取り組み方によって差が出ていることがわかります。
・月間のクリック数
アフィリエート・プログラムに参加しているすべてのパートナーサイト経由の月間合計クリック数に関するデータもあります。アフィリエート・プログラムを導入することにより、どのくらいサイトのアクセス数が増加しているのかの参考になります。
「5,000クリック未満」および「5,000から20,000クリック」であるという企業の割合がともに25%。「20,001から50,000クリック」および「100,001から500,000クリック」が13%、「50,001から100,000クリック」および「500,000超」が8%となっています。
これらのアクセス数の増加と前項のコンバージョン率との組み合わせにより、アフィリエート・プログラム以外のプロモーション手法との比較が容易になります。
−今後のアフィリエート・プログラムの方向性
企業にとって、どの方法で集客するかのバランスは重要な検討事項です。検索連動型広告、検索エンジン最適化(SEO)、メールマガジン広告など、他にもさまざまな方法を実施した場合の効果測定を十分に行なうことができる環境を整え、自社が今後アフィリエート・プログラムをどのようなスタンスで利用していくかを考えることになります。
・パートナーの獲得・維持について
ブログ運営者が増えているなどの要因により、パートナーとなるサイト数は決して減少しているわけではありません。しかし、アフィリエート・プログラムを利用する企業間でパートナーの奪い合いになったり、パートナーサイトが掲載する広告に選択肢が増えたりしたことで、自社のパートナー数を増やすことがむずかしくなっているのです。
アドセンスのように、自サイト経由のネットユーザーが購買に至らなくとも、収益になる広告が登場したことで、アフィリエート・プログラムにおける競合他社との競争だけではなく、他の広告媒体とも競争しなければならなくなったのです。
自社のアフィリエート・プログラムに参加するメリットを十分に見込みパートナーに伝えたり、既存のパートナーの解除を防いだりするために、どのような知恵を働かせる必要があるでしょうか。パートナー側のメリットを十分に考慮した、アフィリエート・プログラムの利用がますます必要になっています。
■ 「米国企業のアフィリエート・プログラムの利用実態2007」のむすび
アフィリエート・プログラムの利用は、最終顧客だけを視野に入れれば良いというわけではありません。今回のコラムで解説したように、パートナーにも十分な配慮が必要です。この両者に十分な対応をしなければ、アフィリエート・プログラムを本格的に活用できているとはいえません。
アフィリエート・プログラムが、集客手法として有効なのは確かです。ただ、パートナーサイトが掲載する広告の選択肢が増えた現在、今までと同じようなアフィリエート・プログラムの活用方法では徐々に効果が下がってくるはずです。効果が下がってから慌てるのではなく、常に改善策を検討し、テストし続ける姿勢が必要なのです。
AIMがお役に立ちます。(ブログ等を活用するCGM戦略は、アフィリエート・プログラムを利用している企業が、パートナーサイトの活性化を図る上で重要です)
インターネット・マーケティングでは、詳細な調査に基づいて、今後の方針を決めることが必要です。自社だけでは、ネット販売戦略について十分な調査や分析ができないという方は、こちらから一度ご相談ください。
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