海外インターネットビジネス動向
News Volume 9 97年9月10日
効果的な商品情報の提供:
企業の場合、ホームページのアクセス数・売上高のみを見て、そのホームページの効果について、善し悪しの判断をする傾向が強いようですが、ホームページを立ち上げ、維持していくメリットというのは他にもいろいろあります。このAIM Consultancyの「ホームページ作成目的の明確化」でも、既に7項目にわたり解説しています。そこで、今回は原点に帰り、「効果的な商品情報の提供」という観点から再度検討してみましょう。
まず、「ホームページ作成目的の明確化」で説明したことを、商品情報提供という視点から改めて整理してみると以下のようになります。
ホームページのメリット:
1. 営業担当者の業務効率化: 顧客が好きなときに、商品の基本仕様や使用方法などについての情報が入手可能になり、営業担当者にとっては効率的な顧客訪問が可能になる。
2. アフターサービスの充実: FAQsの項目をホームページに作ることにより、商品に関する顧客の問い合わせに要する時間の節約が可能になる。
3. コスト削減: 営業・アフターサービス部門の効率化は、人員の削減を可能にする。
4. 24時間のビジネス活動: 営業時間にこだわらず、24時間会社・商品情報を提供できる。
5. 迅速な商品情報提供: カタログなどに比べ内容の更新が容易なため、変化に富む顧客ニーズに対応した新商品の情報や、価格変動のはげしい商品の情報を迅速に提供することができる。
6. 新商品開発のための顧客ニーズのデータベース化: インタラクティブなコミュニケーションが可能となるホームページでは、今までのメディア媒体にくらべ、顧客ニーズを把握しやすくなる。
つまり、ホームページの売上の伸びについて一喜一憂するのではなく、このようにさまざまなメリットについて認識し、それぞれのメリットを最大限にするために、貴社のホームページを改善することが重要なのです。特に1997年の時点では、インターネット・ユーザーを顧客層としてとらえると、まだまだ職業等が片寄った方々により構成されています。なおかつ、インターネット・ショッピングがまだ一般的な購買手段となっていないため、最初から販売活動のみをホームページ作成の目的にしてしまうと、その目的が十分に達成できないまま、ホームページを閉鎖せざるをえなくなります。再度、上記の各メリットを十分に生かすホームページになっているか、貴社のサイトを検討してみてください。
(1)今回紹介する「効果的な商品情報の提供」の方法
●タイヤ学校: 親しみがもてる商品知識のための工夫
●ドライビング・テクニック: 多くのターゲット・ユーザーが関心あることの情報提供
●バイヤーズ・ガイド: 店舗販売促進のためのガイド
(2)「効果的な商品情報の提供」の事例
Goodyear:
http://www.goodyear.com/
(タイヤ製造メーカー)
●タイヤ学校
ここでは、ホームページ訪問者が講義に参加しているような感覚で、タイヤに刻まれている各種数字・コード、タイヤのケアの仕方、タイヤの磨耗度の見方などの情報の説明をうけることができます。ただでさえ馴染みが少ないタイヤの詳細な情報について、学校で授業をうけているという形式にすることで、ユーザーが親しみが持てるように工夫しています。
●ドライビング・テクニック
もちろん車関係のメーカーらしく、車の運転の仕方に関しての注意事項をリストにしています。そして、使用していないタイヤの保管の仕方や、タイヤの空気圧・ダメージについての判断の仕方などの情報も提供しています。
●バイヤーズ・ガイド
ここには、3種類のカテゴリーがあります。
1. タイヤ・セレクター: 自分の所有している車のメーカー、車種、年式、使用環境、好みなどを選択することにより、推薦するタイヤをインタラクティブにデータベースから検索します。複雑で素人には判断しにくいタイヤの選択を、このように分かりやすい項目毎の選択をポップアップ・メニューから行えることは、いかにもユーザーを考えた配慮となっています。
2. タイヤサイズ・セレクター: タイヤ幅、直径などを選択することにより、推奨タイヤを一覧にします。
3. 店舗セレクター: アメリカで使用している地域番号(Zip Code)もしくは都市名を入力すると、最寄りのグッドイヤー・タイヤ販売店の店名、住所、電話番号、営業時間等を一覧にします。先のタイヤ・セレクター等でタイヤを選んだら、当然つぎはどこで購入しようかなという話になるため、この店舗セレクターをホームページに組み込むことで、店舗販売を促進することができるのです。
このようにグッドイヤーのサイトでは、営業担当者が普段顧客におこなっている製品に関する基本的な回答について、情報提供しています。この種の情報提供によって、先にも述べた「営業の業務効率化」「迅速な商品情報提供」が可能になるのです。
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