海外インターネットビジネス動向
News Volume 25 98年5月6日
インターネットショッピング‐3(オンライン購買行動)
今までにも、二回にわたり「インターネットショッピング」についてご紹介してきましたが、今回は特に「オンライン購買行動」に的を絞ろうと思います。どのようにアメリカのインターネットユーザーが、オンライン上でショッピングを体験していくのかを、マーケティングの視点から簡単なケーススタディーを作成し検証しようと思います。そのひとつの購買パターンを参考に、どのような手順で、訪問者が貴社のサイトで商品・サービスを購入するのかを再考し、ホームページ改善にお役立てください。
(1)アメリカの「インターネットショッピング」ケーススタディー
コンピュータを買おうとする場合、一般店舗等での購買よりも、条件が良い買物ができるインターネットを活用しようとする「Aさん」がここにいたとします。
まず、インターネットでは何を探すにしても、だいたいはサーチエンジンで検索を始めるのが普通でしょう。その時に、もっとも訪れる可能性が高いのが「Yahoo!」ではないでしょうか。そのアメリカの「Yahoo!」のホームページの検索窓の下には提供サービス一覧があり、「Shopping」というリンクが目につきます。
それでは、そこをクリックしてみましょう。そうすると、商品毎に分類されたサイトに行くことができます。商品カテゴリーをさらにクリックすると、プルダウン式の選択肢を選び検索することができるページになります。たとえば、コンピュータのカテゴリーを選んだ場合には、希望CPUのタイプ、RAMの容量等の項目を選択肢として選ぶことができます。
今回はラップトップ・コンピュータを「Pentium II」「200Mhz」「RAM 32MB」という仕様で選び検索してみます。その結果3件のコンピュータが選ばれました。そのコンピュータ情報を提供しているサイト、「PC Mall」「PC Connection」をこれから訪れてみることにします。
ここまでみてきた過程を、マーケティングの視点からみると、以下のように分類されます。
1. ニーズの認識
すでに、コンピュータをインターネットで購入しようとしている時点で、ニーズがある程度認識されています。多くの人は、毎日テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブサイトの多くの情報にさらされ、それらの情報の中から自分自身にとって必要な情報を絶えず選んでいるのです。そのような環境の中で、オンラインで商品を購入しようという気持ちにさせるためには、その商品のカテゴリーがオンライン購入に適しているという広報宣伝がなされ、一般に認知されている必要があります。
2. 情報検索
今回のケーススタディーのように、サーチエンジンで簡単に商品情報を見つけることができる環境がより整う必要があります。その検索データの中に、貴社の商品情報なり、貴社ウェブサイトの情報が盛り込まれていなければなりません。もしくは、容易にユーザーがそれらの情報を入手できるように、広告キャンペーンやサイトプロモーションを行う必要があります。
3. 選択・評価
商品の評価・比較を行うことができる情報を簡単に入手できるのが、インターネットの良さであり、他の媒体にない特徴です。さらに、今回の「Yahoo!」のショッピングガイドのように、容易に情報を入手できるシステムがどんどん開発されています。今回の検索結果と同様の情報を得るために、コンピュータの販売情報を提供しているサイトをいちいち個別に訪れていたのではきりがありません。「Yahoo!」のような使いやすいサービスには、ユーザーが殺到するため、これらの検索で貴社が選ばれるための提携等が必要になります。
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さて、これから「Aさん」は検索結果にリストされたウェブサイトに実際に行くことになります。すでに、ニーズをしっかり認識している「Aさん」が、自分の希望した選択肢により情報検索した結果から、その商品もしくはウェブサイトを選択・評価して、「PC Mall」「PC Connection」の両サイトを訪れるまでになっているのです。ここでそれらのサイトが、「購買決定」、「購買後の満足度」を高める要素をはっきり示すことができれば、「Aさん」は、納得してコンピュータを買うことができるのです。
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4. 購買決定
●「PC Mall」の場合
サイトの最初のページに、このサイトの特徴を明記しています。「多くの品揃え」「24時間のサービス態勢」「迅速な発送(一日でお手元に)」「高いレベルのテクニカルサービス」。そのうえ他ページに、なぜ「PC Mall」で購入するべきなのかの6項目の理由を示しています。これらは、製品自体の仕様説明や価格以上に、コンピュータを購入する場合に気になる要素ではないでしょうか?それらの顧客見込者が気になることを最初に示すことで、その後の購買過程がスムーズになります。
●「PC Connection」の場合
「PC Mall」に比較して、マーケティングの視点からみた説得力という点では、「PC Connection」の最初のページの構成は不十分です。お薦めの商品を数種類掲載しているのみで、購買決定を刺激する要素が充分ではありません。
5. 購買後の満足度
●「PC Mall」の場合
それでは、コンピュータを購入した場合に気になるサービス態勢についてみてみましょう。この「PC Mall」では、FAQを用意し、詳細な製品に関する質問については電子メールで対応しているというコンピュータ販売のサイトとしては、特に特徴のないサービス態勢です。
●「PC Connection」の場合
このサイトで購入した製品すべてに60日間のオンラインサポートを明言してしています。別のメーカーの何万点もの製品を扱うサイトで、すべての製品に対するサポートを確約するのはなかなか難しいでしょうが、購入する側にとっては信頼感を高めることができます。
◆「PC Mall」
http://www.cc-inc.com/cfm/frames/cchomepage.cfm
◆「PC Connection」
http://www.pcconnection.com/
(2)今回紹介した「オンライン購買行動」
今回紹介したケーススタディーは、あくまでもオンラインで商品の購入を考えた場合にたどるであろう購買行動のひとつの例です。しかし、商品・サービスの販売を目的にしているサイトならば、自社サイトにユーザーがどのような経路で来るのか、その訪れた時点ではどのような気持ちになっているのかをしっかり分析しておく必要があります。その結果、購買見込者に次にどのような情報を与えれば、彼らの購買意欲を刺激できるのかが明確になってきます。
「ニーズの認識」「情報検索」「選択・評価」「購買決定」「購買後の満足度」の基本的な購買を決定する5つの情報を分かりやすくすべて提供するために、何を貴社サイトで強調する必要があるのかをきちんと把握してください。たとえば、もし貴社サイトを訪れるまでに、充分に「ニーズの認識」「情報検索」ができていないユーザーが多いようでしたら、その補足を行う必要が生じるのです。
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