海外インターネットビジネス動向
News Volume 48 99年5月12日
ここまできた価格比較
1クリック先は別の世界。それがインターネットです。ネットサーフィンしているユーザーは、このことをとても良く分かっています。それなのに、企業サイトを作っている側が、そのことを本当には理解していない場合が意外に多いのです。
たとえば、インターネットユーザーは、企業がウェブサイトで扱う商品・サービスの価格を簡単に比較することができます。
検索エンジンで、ある商品に関連するキーワードを入力すると、その商品を扱うウェブサイトをたちどころに一覧にすることができます。これらのサイトを順番に訪れながら価格比較を行えば、短時間で一番安いサイトを特定することが可能です。かつては、あちこちの店舗を歩き回って集めなければならなかった情報が、インターネットを利用することで、家に居ながら数分で収集できるようになったのです。
インターネットの発展とともにこのような購買パターンが確立されると、その動きに合わせた企業サイトを作ることも、インターネットビジネスを成功に導く一つの方法になるのです。今回は、この新しい動きに敏感に対処し、成功している企業サイトをご紹介しましょう。
●今回紹介する「価格比較」の事例
NECX:
http://necxdirect.necx.com/cgi-bin/auth/docroot/index.html
(95年に公開されたコンピュータ関連商品等を販売するこのサイトは、98年には86億ドルを売り上げるまでに成長し、売上げの75パーセントは、リピートユーザーによる購入になっています)
1. 価格比較オプションの提供
インターネットユーザーが1クリック先で競合サイトの価格情報を手に入れられるのであれば、それを自社のサイト内で示してしまおう、というのがこのサイトの思い切った戦略です。
他の著名な企業サイトと同じように、トップページには日替わりの特価品を「Today's Get It Now Deal」「Today's Best Buys」というカテゴリーで紹介しています。それらの商品の写真画像をクリックすると、詳細な商品説明とともに「価格比較(Compare Prices)アイコン」が現れます。さらにここをクリックすると、下記のような形で価格比較が行われます。
2. ユーザー本位の比較表
同じ商品を扱う競合サイトの価格と、自社の価格が比較表の形で表示されます。競合サイト名にはリンクがしてあるので、希望するユーザーは自分自身でそのサイトにジャンプし、確認をすることもできます。
最近は急速にホームページの数も増え、希望する商品を扱うサイトを自分であちこち探し当てられないインターネット初心者も少なくないかもしれません。そのような状況を考えると、わざわざ競合サイトを紹介するこのようなサービスは、自社にとって不利に働くのではないかと思われる方も多いと思います。
しかし、「NECX」が毎年売上げを伸ばしている事実からも分かるように、既存の販売スタイルは確実に変化しているのです。この流れを明確に掴んでおかなければ、先行して「NECX」のようなサイトを作る業者が現れた時に、市場を奪われてしまうことになるでしょう。
3. パーセンテージ比較
一旦価格比較を行うという企業姿勢を決定したならば、それをより分かりやすくユーザーに示すことで、「顧客本位の企業」というイメージをさらに強化することができます。
「NECX」のサイトでも、販売価格の比較ばかりではなく、その価格差をパーセンテージとして表し、さらに棒グラフによって一目でその価格差が分かるように工夫しています。
4. 更新日の明示
さらに自社と他社の価格情報がいつ更新されたものなのか、その日付が書き込まれています。この日付が新しいほど、情報の信頼性と鮮度を高め、「この商品を買うなら今しかないかもしれない」というユーザーの心理に訴える効果があります。
「NECX」では、競合サイトの価格の方が安い場合にも、率直に比較情報を提供しています。このようなサービスは、徹底したコストダウンを通じて常に安値を追求する努力があって、はじめて実現が可能となるものです。ユーザーにとって便利になるサービスがどんどん生まれるインターネットの世界で、競争力を付ける思い切った取り組みに成功すれば、オンラインばかりでなくオフラインの世界においても、長期的な企業の発展が約束されるでしょう。
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