海外インターネットビジネス動向


News Volume 92 2003年2月25日

今年のキーワードは“検索”−オンラインショップやインターネットビジネスに影響−

今年は、オンラインショップを運営する企業や、直接商品販売を行なっていない大手企業にとっても、「検索」がキーワードになりそうです。



米Yahoo!は、今後広告型の検索をビジネスの柱にしていく」というコラムが、Japan.Internet.comに掲載されています。Yahoo!Japanでも、最近検索結果の表示方法が変わり、ペイパークリック(Pay Per Click)型の検索エンジン広告を行なうOvertureとGoogleに登録されている広告主のサイトが、検索結果の上位にスポンサーサイトという形で表示されるようになっています。

このペイパークリック型とは別に、SEO(検索エンジン最適化)を強く意識するオンラインショップが昨年よりも頻繁に目につくようになり、検索結果の上位スペース(ブラウザのスクロールをせずに一目で見渡せるスペース)をめぐる争いが日に日に激しくなってきています。

そのため、オンラインショップをはじめ、ネットビジネスを実践している企業にとっては、「どのように効果測定をしながらそのスペース内に入っていくか」を十分に検討する必要が高まっています。

SEOについては、SEO会社のウェブサイトのコラムを読むことで、ある程度の基礎知識を得ることもできますし、ネットビジネスの関連会社であれば、だいたいのことを経験値的に知っている場合もあります。SEOの知識がなければ、SEOのサービスを提供している会社に依頼することもあるでしょう。

SEOを実践してみると、上位表示が狙いやすいキーワードと狙いにくいキーワードの違いについても経験することができます。SEOで上位に表示されにくいキーワードに関しては、ペイパークリック型広告を利用してみるのも一つの方法です。ただ、それぞれのキーワードからのユーザーが、どれだけ自社の売上増に貢献したかを、きちんとトラッキングし、データに残しておくことは重要です。



検索に関して、この他にも米国で興味深い動きがあります。最近、米国のインターネットユーザーに人気なのが、ショッピング用検索エンジンです。国内では価格コムが有名ですが、米国の検索エンジンのGoogleが、インターネットで販売されている商品検索に特化したサービス「Froogle」のベータ版を2002年12月に公開したことで、今後オンラインショッピングに影響する検索サービスから目が離せなくなりました。Froogleでは、日本語化や円表示も視野に入れたベータ版のトライアルが行なわれているということなので、国内においてもオンラインショッピングの新たな展開が予想されます。

すでに米国には、価格コムのような、ショッピング用の検索に特化したサイトがいくつもあります。米調査会社のForeSee Resultsによると、この種のショッピング用検索サービスは、かなりユーザーに満足感を与え、支持されているということです。同社では、今回ショッピング用検索サービスのDealTime.comのユーザーに行なった以下の調査結果を発表しています。



■ショッピング用検索サービスを利用する理由

* 迅速な価格比較のため: 73%
* 商品比較のため: 54%
* 探している商品を扱うショップ探し: 45%
* 買い物で失敗するリスク軽減のため: 28%
* 人気商品を見つけるため: 27%
* 商品の絞込みを行なうため: 25%
* オンラインショップの評判を知るため: 25%



このような米国の動きを見て、国内でもこの種の検索サービスがますます増加するかもしれませんし、すでにサービス展開している価格コムのようなサイトが、扱う商品カテゴリーを増やすかもしれません。今年は、このようなオンラインショップの外部環境の変化が、「検索」絡みで随分と起こりそうです。



さらに、個別のオンラインショップでも、自社の検索機能のレベルアップを図ることで、顧客満足を高めることが可能になります。さまざまなオンラインショップで商品検索を行なう機会が増えていますが、その結果に満足していないユーザーが多いのではないでしょうか。

たとえば、商品名・商品紹介文・使用説明文など、サイト内のすべてのコンテンツを一括検索してしまうことで、いくつものページがヒットしてしまい希望する商品を見つけにくいということもあります。この検索結果の多さに圧倒されてしまうユーザーもいれば、希望していない情報までも表示されてしまい、そのノイズにイライラしてしまうユーザーもいることでしょう。その結果、他のオンラインショップに移動してしまうユーザーが意外に多いはずです。



今年は、オンラインショップばかりではなく、直接商品販売を行なっていないサイトでも、外的な要因や内部の問題で、検索に関する改善をしなければいけないことが多く出てきそうです。




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