海外インターネットビジネス動向
News Volume 93 2003年3月26日
チェックアウトの柔軟性が売上を伸ばす
オンラインショップで、一旦ショッピングカートに商品を入れても、最終的なチェックアウトを行なわないユーザーの比率がかなり高くなっています。少し以前の米国の各種の調査では、25%から78%とさまざまな数値があがっていましたが、いずれにしても高い数値です。
その理由としては、「配送費用が予想以上に高かった」「途中で気が変わった」「クレジットカード番号を書きたくなかった」などさまざまですが、オンラインショップの運営者としては、ユーザーがチェックアウトを止めてしまった理由を一つ一つ改善していく必要があります。
米国の2002年のクリスマス商戦では、全体的な小売業が振るわなかったにも関わらず、オンラインショップは比較的順調でした。その主な要因として挙げられていたのが、配送費用の無料化です。チェックアウトを途中で止めてしまう理由の一つ、「配送費用」を無料化したことが、インターネットユーザーにインパクトを与え、オンラインで商品を購入する理由を与えたのです。
クレジットカードを利用することが、米国ほど一般的ではない日本においては、郵便振替・銀行振込に加えて、最近ではコンビニ決済の利用率が高まり、徐々に決済方法の選択肢が広がってきています。
ユーザーに多くの選択肢を与えることは、前述のショッピングカートの放棄率の低減ばかりではなく、クレジットカード番号の不正利用を妨げることにもなり、ユーザーに安心感を与え、売上を伸ばすことになるのです。
この考え方は、クレジットカード大国の米国でさえ徐々に受け入れられ、さまざまな決済方法が今も模索されています。たとえば、100万アイテム以上の商品ラインナップを持つオンラインショップのBuy.comが、I4 Commerceという会社によって開発された「Bill Me Later」という新たな決済サービスを加えました。このサービスは、クレジットカード番号を入力するのではなく、生年月日等でユーザー確認を行ない、後日郵送で請求書を発送するというものです。
*Buy.comのプレスリリース
http://www.buy.com/corp/toc_feature.asp?loc=16207
I4 Commerceのサービス紹介ページでは、4つのメリットが書かれています。
1.購買率の向上−クレジットカード番号を要求しないため、購買率の改善が期待できる。
2.注文コストの低減−クレジットカードより低い手数料率
3.導入のしやすさ−提携会社の充実したサポートネットワーク
4.ユーザーの利用のしやすさ−Bill Me Laterのオプションを選択するだけ
このように、クレジットカード番号を書かなくても良いというユーザー側のメリットばかりではなく、オンラインショップ側にとっても魅力的なサービスであることが窺われます。
インターネットの世界はユーザー主導型といわれています。筆者も、ユーザーの視点から購買率を高めるためのさまざまなアドバイスを行なってきましたが、オンラインショップ自身にとってのメリットが見えにくいと、新たなサービスの導入は進みにくいとも感じています。
オンラインショップにとっては、ショップのデザインやコンテンツといった見栄え以外の面でも、さまざまな関心事があるはずです。商品を届けたのに未払いになってしまったり、商品販売を行なったけれどもボーナス一括払いのため入金までに半年近くも待たなければならなかったりするリスクは、どのショップにとっても頭の痛い問題だと思います。
そのため、ユーザー側の視点と、オンラインショップ運営の効率化という企業側の視点とを、うまく融合した形が今後ますますネットビジネスの展開に必要とされているのです。
決済に関しては国内でも、「Bill Me Later」と同様にクレジットカード番号を記載する必要のない決済方式で、後払いというユーザーメリットがあり、オンラインショップの代金回収の効率化を図ることができる決済サービスがありました。
これは、ネットプロテクションズ社が提供するNPプロテクト決済〔後払い〕というサービスです。同社のサイトに紹介されている利用会社、ペットオフィス社のコメントを見ると、「入金消し込み業務が不要になる等、大幅な省力化も図れました」というオンラインショップ側のメリットが紹介されています。
*NPプロテクト決済の利用者の声
http://www.netprotections.com/atobarai/kameiten.html
■ むすび:
今回紹介したように、オンラインショップの購買率を高めるために、ショッピングカートからチェックアウトに関わるさまざまな項目に注目することが、ネットビジネスの改善を行なうための大切な要因の一つとなっています。配送料金・決済方法など、ユーザー側の視点で改めて自社サイトの診断を行ない、さらに業務の効率化によって、どのように利益を確保していくかという自社なりの収益シミュレーションを検討することが必要となっているのです。
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