海外インターネットビジネス動向
News Volume 103 2005年6月28日
メールマガジンの配信効果を高める
ネットビジネスを支える重要な要素の一つであるメールマガジン。国内では、子育て中でもオンラインショップを利用する女性が増えていますが、こうした子育てママ層は、オンラインショップが発行するメールマガジンをどの程度活用しているのでしょうか。
ネットビジネスで先行する米国において、その実態を垣間見ることができる調査結果が、米Emaillabsによって発表されました。以下が、その調査に関連したプレスリリースのウェブページです。
■ Emaillabsの調査結果
Moms Reward Retail Email Marketers for Campaigns that Offer Value and Discounts
この調査結果は、女性にターゲティングしていないネットビジネスの関係者にとっても、メール・マーケティングの効果を高める上で参考となる重要なポイントを含んでいます。
1.メールマガジンに登録する理由
メールマガジンの読者数を増やすことは、すべてのネットビジネス関係者にとって重要な課題です。各社とも、読者数を増やすためにさまざまな工夫を行っていますが、ネットユーザーはこうした取り組みをどのように受け止めているのでしょうか。
ユーザーの視点から見ると、メールマガジンへの登録を決めるにあたって考慮する大きな要素は「インセンティブの有無」です。
Emaillabsの調査に回答した子育てママは、「メールマガジンに登録する理由(複数回答可)」として、「優待クーポンや特別割引を得るため」を最も多く挙げています(86.6%)。これに次いで多かった回答も「セール品情報を得るため」(69.0%)と、やはり明確なメリットが意識されていることをうかがわせます。ユーザーにとっての具体的メリットを示さないと、登録読者数はなかなか増えないようです。
2.登録しているメールマガジンの数
同調査では、「オンラインショップが発行するメールマガジンに登録している件数」も尋ねています。回答を件数別に分類すると、次のような内訳になりました。この調査に協力した子育てママの間でもっとも多かったのは「1種類から5種類」という回答で、全体の約7割を占めています。
メールマガジン数 | パーセント |
0(ゼロ) | 2.8% |
1〜5 | 69.4% |
6〜10 | 25.7% |
11〜15 | 4.9% |
16以上 | 4.7% |
この結果は、皆さんの予想通りでしたか。それとも意外だったでしょうか。子育て中の女性には、限られた種類のメールマガジンしか読んでいない人が多いようです。
登録しているメールマガジンの総数が少ないということは、おそらく同一分野で複数のメールマガジンを登録している可能性も低いでしょう。日頃あちこちのサイトをのぞいていても、定期的なメールの配信を許すのは、その中でも特に気に入った一握りのサイトに限定しているのです。
このようなタイプのユーザー層は、メールマーケティングの入口である読者登録自体のハードルが高いといえるでしょう。でも、このハードルを乗り越えて数少ない「登録メルマガ」の輪に入れてもらうことができれば、もっと多くのメールマガジンを日々受け取っているユーザーに比べて、配信する案内やコンテンツを熟読してもらえる可能性も高いはずです。
こういった、いわば「つきあい限定型」のユーザー層にメールマガジンを読んでもらいたいと考えるなら、その特性を十分に認識し、自分の会社がどのようなポジショニングを行なうかを熟考しなければ成功は望めません。「サイト内にメールアドレス登録用の窓さえ用意すれば、登録者数は自然と増えるだろう」などという悠長なことは言っていられないのです。
あなたの会社では、見込み客層がすでに登録しているであろうメールマガジンに置き代わることをめざしますか。それとも、関心が高まった新たなジャンルのメールマガジンとして追加されることをめざしますか。
いずれにしても、対象とするユーザー層の好みやニーズを適切に把握し、数多いサイトやメールマガジンの中でも際立った特色や魅力を打ち出す努力が欠かせません。
3.メールを開封する判断材料
ネットユーザーは、自分のメールボックスに届くすべてのメールを開封している訳ではありません。一定の判断材料に基づいて、開封するか否かを決めているのです。
先の調査では、メールの「差出人」だけをチェックして、開封するかどうかを決めている回答者の割合は40.6%でした。半数以上の56.4%は、「差出人」と「件名」の両方を基準にして判断しているのです。
つまり、自社のメールマガジンに登録しているユーザーだからといって、送信するメールを常に開封してくれるとは限らないということです。たとえメールの差出人が馴染みのショップ名であったとしても、件名に魅力がなければ開封しない可能性が高いのです。
だからといって、メールの件名に「無料」などのキャッチーな言葉を不用意に入れるのは禁物です。最近では、スパムメールを排除するツールを利用しているネットユーザーが増えているため、スパムと認識されるキーワードが件名に入っていると、ネットユーザーの目に触れることなく自動的にメールソフトのゴミ箱に振り分けられてしまうことがあるのです。
4.メールマガジンのクリックを促進する要因
あなたが発行するメールマガジンが開封されたとしても、さらに次のハードルがあります。メールマガジンは、読まれるだけで終わってしまっては意味がありません。いうまでもありませんが、オンラインショップにとって究極の目的は、メールマガジンからサイトの商品紹介ページにユーザーを呼び集め、少しでも多く購入してもらうことです。クリックする読者がいなければ、メールマガジンを発行するための労力と時間は、すべて無駄ということになってしまいます。
あなたは、メールマガジンのクリックを促進する要因を知っていますか。先の調査で上位に挙げられていたのは、「価格表示」(62.7%)、「商品写真」(61.7%)、「配送情報」(43.7%)でした。商品写真の掲載が2位にランクされている事実は、html形式のメールマガジンを発行する企業が増え、ユーザーの間にも定着してきていることを物語っています。視覚的でわかりやすい商品紹介を行ない、それに加えて、価格や配送などに関連した情報のプレゼンテーションを効果的に行えるかどうかによって、メールマガジンの効果が大きく左右されるのです。
メールマガジンのリンクをクリックしたい気持ちにさせる要因は、扱う商品の種類や見込み客の性質によっても異なる場合があります。それらの要因を把握し、効果的に演出するテクニックが備わってはじめて、売上増を達成することができるのです。
●コラム「メールマガジンの配信効果を高める」のむすび
今回ご紹介した調査結果は、子育て中の女性に関連するネットビジネスを展開する企業以外にとっても、重要な示唆を含んでいます。
最近は、スパムメールの増大が問題視され始めていることもあり、全体的にも登録のハードルが高くなる傾向にありますし、メールマガジンの効果そのものも頭打ちもしくは低下ぎみです。
従来からのメールマーケティングの手法を細かく手直しするだけでなく、メールマガジンの戦略的活用方法についての抜本的見直しが必要になっています。競合他社のメールマガジン分析、見込み客分析などを十分に行ない、メールマガジンの発行目的を改めて検討すべき時期が訪れていることを理解したいものです。
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