海外インターネットビジネス動向
News Volume 16 97年12月 17日
セキュリティ―‐1
今年1997年は、「インターネット販売」の元年といえるほど、インターネットセールスを成功させたサイトが現れました。この「海外インターネットビジネス動向」で以前にご紹介した「Dell Computing」をはじめとして、インターネットで販売するためのしっかりした体制、ホームページ作り、プロモーションが出来た企業は、確実に売上を伸ばしています。しかし、未だに「インターネット販売」が伸びない企業サイトが多いのは、なぜでしょうか?その理由のひとつになっているのが「セキュリティー問題」です。
この「セキュリティー問題」を解決するために、さまざまな方法が検討、実験されています。しかし、未だに世界標準的な規格が出来ていないため、現時点ではクレジットカード番号等の個人情報をSSL(Secure Socket Layer)を使用しているサーバー経由で暗号化し、「電子商取引」を行っています。しかし、この取引でもいくつかの問題が生まれています。たとえば、この暗号化した情報が確かに消費者と業者の間で行なわれたとしても、その業者が信用に値する企業かどうかが分からない場合があります。その場合、クレジットカードより代金が引き落とされたにもかかわらず、商品が届かないということが実際に起きています。
その解決の手段として考えれるのは、クレジットカード取引をもっと信頼性があがる方法でサポートする技術開発です。今回はその世界標準として期待されいる、SET(Secure Electronic Transaction)という方法についてご紹介します。
(1)今回紹介する「セキュリティー」の方法とは
1. SETとは
2. SETの設定の仕方
3. SETのデモ
(2)今回紹介する「セキュリティー」の事例
Master Card International:
http://www.mastercard.com/set/
(Master Card Internationalは、世界的に有名なクレジットカード会社です)
● SETとは
SETとは、インターネット上で消費者にとっても、企業にとっても安全な商取引を行うために、セキュリティーを高めたクレジットカード決済を実現するためのプロトコルです。消費者は、クレジットカードを発行している銀行・カード会社から、デジタルIDとパスワードを入手し、それを自分の「電子ウォレット」ソフトに登録し、インターネットショッピングに使用することができます。また、SETを使用するためには企業側も、銀行もしくはカード会社に登録が必要なため、消費者が今までのように商品が届かないのではと心配することなく、知名度の低い企業からでも商品、サービスを購入できるようになります。
● SETの設定の仕方
先程の「電子ウォレット」は、デジタルID、クレジットカード番号、期限などの情報が登録されているソフトウェアで、この「電子ウォレット」はもちろんパスワードによってセキュリティー管理されています。実際の商取引では、それらの個人データを暗号化し、デジタルIDの公開鍵と秘密鍵を用いてデータの送受信を行う二者間でしか、そのデータを複号できないようにしています。
参考サイト: 電子商取引実証推進協議会の「EC入門ガイド」
SET等の暗号技術を含む、電子商取引全般に関する入門者用サイトです。さらにこの話題に興味がある方は、訪れてみてください。
● SETデモサイト:http://www.mastercard.com/set/demo.html
このマスターカードのサイトでは、実際にSETを使用している「電子ウォレット」が、どのようなものかのデモンストレーションを提供しています。ぜひ、どのようなことができるようになるのか体験してみてください。
いかがだったでしょうか?このようなデモンストレーションを体験すると、確かにこのような電子商取引が一般化されれば、消費者が障害と思っている「セキュリティー問題」が解決され、インターネット販売が促進されるだろうと感じられたと思います。そのためにも、来年にはSET規格が世界標準になることを期待しつつ、今後の動向をフォローし、皆さんにも情報提供していきたいと思っています。
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