海外インターネットビジネス動向


News Volume 19 98年2月4日

テーマサイト作り‐1

今回は貴社の商品・サービスに関連する「テーマサイト」について考えてみたいと思います。

企業サイトの場合、商品・サービスを紹介するのみでは、訪問者にとっては面白みがなく、再三訪れてみようとはなかなか思えません。しかし、その面白みばかりを追及していたら、オンライン・オフラインでの売上に結び付かない場合が多くなってしまいます。それを解決する方法として、商品・サービス情報を提供しつつも、同時に面白みや関心を高めることができる「テーマサイト」についてご紹介しましょう。


(1)今回紹介する「テーマサイト作り」の方法

1.  テーマの明確化
2.  リサーチペーパー:テーマの補強(1)
3.  ユーザーの事例:テーマの補強(2)
4.  リンク集:テーマの補強(3)
5.  専門家のデータベース:テーマの補強(4)
6.  ブックストアー:テーマの補強(5)


(2)今回紹介する「テーマサイト作り」の事例

3M Meeting Network:
http://www.3m.com/meetingnetwork/

(事務用品メーカーの「3M Corporation」が制作したサイトのなかの、効果的なミーティング・ノウハウを紹介しているコーナーです)

● テーマの明確化

"Your comprehensive resource for effective meeting collaboration and presentation information" (効果的なミーティングとプレゼンテーションのための包括的な情報リソース)

このサイトは上記のテーマをもとに、自社で扱っている事務用品に関連する、どの会社員もかかわる「ミーティング」に関する情報を提供し、多くのユーザーが集まるようさまざまな工夫を施しています。「テーマの明確化」がはっきりすれば、そのテーマに関心がある人々をターゲットにした効果的なプロモーションを実施することが可能になるのです。

● リサーチペーパー:テーマの補強(1)

この種のテーマを扱う場合、学術的なデータ等に基づいた論文を掲載することで、そのサイトで紹介した内容を補強し、より信頼度を高めることができます。このサイトでも、「Meeting Guide」というコーナーで、どのようにすれば効率的な結果が伴うミーティングを行えるのかをアドバイスしています。その内容を「Research Center」というコーナーで、専門的な記事を掲載することで補強しているのです。

● ユーザーの事例:テーマの補強(2)

「Success Stories」「Nightmare Stories」というふたつのコーナーで、実際にユーザーが体験した効果的であったミーティングの話と、最悪な結果となったミーティングの話を募集しています。それぞれの一番興味深い話を投稿した人に、毎月100ドルの商品券を差し上げて、参加者を増やす工夫をしています。

● リンク集:テーマの補強(3)
 

ホームページならではの、他の関連するサイトへのリンク集を作ることも、テーマの補強に役立ちます。このリンク集を作ることで、いかにこの分野に関して熟知しているかの証明にもなりますし、関連サイトに度々行くためにユーザーのブックマークに加えられる可能性もあります。このいかにブックマークに加えられるかを考慮したサイト作りを行うことで、アクセス数がかなり違ってきます。

● 専門家のデータベース:テーマの補強(4)

このサイトでは、効果的なミーティングを指導するコンサルタントの登録型データベースも用意しています。「Meeting Planner」「Trainers」というふたつのイエローページで、自分の居住する州を選択すると、関心がある分野の専門家の連絡先が表示されます。このデータベースによって、登録を行う専門家および専門家に講演を依頼する企業の、ふたつのターゲットの訪問を期待することができます。

● ブックストアー:テーマの補強(5)

この「効果的なミーティング」に関心を寄せ、自分でも本を読み勉強したい人のために、お薦め図書のコーナーも用意し、その本を直接「amazon.com」で購入できるようにリンクをしてあります。これはアマゾン・コムの「Association Program」で、他のサイトから紹介されてアマゾン・コムを訪れて本を購入した人の売上に対して、コミッションを支払うというプログラムです。今回のようなテーマを扱う場合には、この種のプログラムと提携することも、テーマの補強と同時に収入を得る一つの手段として一石二鳥の効果があります。

その他このサイトでは、専門家による無料アドバイス、サーベイ参加者への景品の提供など、訪問した者が参加したくなるような気持ちにさせる「無料」のプレゼントやサービスが用意され、良くできた「テーマサイト」となっています。


商品・サービスのみを紹介するサイトの場合、新商品発表等で紹介されることがあるかもしれませんが、一般消費者の目にとまるような宣伝効果はなかなか期待できません。しかし、このようにユニークな「テーマサイト作り」ができれば、さまざまなメディアでも取り上げてもらえます。実際にこの「3M」のサイトも、「USA Today」などの一般の方が目にするような新聞メディアでユニークなサイトとして紹介されました。貴社のサイトにも、この種の面白みのある「テーマサイト」をひとつのコーナーとして盛り込めば、アクセス数が増える宣伝効果をいろいろと期待できるようになるではないでしょうか。



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